The Thick of It のアメリカ版という意味は オンエア前にさんざん、TToIのアメリカ版、とかリメイクとか言われていましたが、実際に視聴して確認。 ファンが観れば、「このシーン、あのTToIのシーンを彷彿とさせるわ!」とか「このネタは、あそこを思い出す」とか沢山出てくるのですが、「このエピソードはこれ」とかこのキャラはこれ、というようなシンプルな移植作業はありません。セリーナはヒュー・アボットでもあり、ニコラでもあり、オリーでもあり、タッカーさんでもある感じ(爆)。逆にいえば、タッカーさんもジェイミーもいないです。 TToIのような政界のシチュエーションをアメリカを舞台に作ってみました。であり、 いわゆるみなさんおなじみの「リメイク」ではありません。 なので、どっちがどう、と比較したり、「タッカーさんがいない!」なんて文句言ったりしている人がいますが(例:ガーディアン紙のブログなど)これはお門違いだと思います。それにタッカーさんとなんて誰も比較されたくないよ。。。(汗)
わざわざ書いてスペースとらなくてもいいとは思うのですが、あらためてコンファームするならば、「神業」でした。まず、基金調達という政府をビジネス的角度からみた黒い部分を、ダイレクトに「石油」にせず、「プラスティック」に対抗するエコフレンドリーなコーンスターチ製の使い捨てスプーン・フォークに着眼点を置いているあたりで、すでにブルブルと感動で震えてしまいます。 そして見せ場となる悲劇/喜劇を作り出す伏線の貼り方がまさに「The Thick of It」です。 序盤の「笑い」だった部分がじつは伏線でもあり見事にのちのちの大悲劇(喜劇です汗)へと導く要素になっていく。
KOされたジョークは、セリーナが例のイベントでするっと発してしまった「We were Hoisted with our own retard」です。これはハムレットに登場する名文句の一つです。 「ハムレットを処刑してくれ」という意味でイギリス王宛の手紙に書かれていた「hoist with your own petard」とかけたダジャレ。これを読んだハムレットが「この手紙を届けたものを死刑に」と文書をすり替えたため、手紙を届けたローゼンクランツとギルデンスタインが処刑されるという展開で、それがゆえに、「hoist with your own petard」は「相手を殺そうとした仕掛けた装置で自分が殺されちゃった」みたいな意味になるわけです。 このウィットに溢れたゴリゴリの英国やで~~~!みたいな高等なダジャレに、「イアヌーチせんせいに広い心と寛容はあるけど、妥協はない!」と感涙。しかもこれってかなりこの番組のテーマをずばりと言い当てている気がします。