マッケンジー・クルック/MacKenzie Crook君が昨年(2011)に発表した話題の童話です。
Waterstones Children's Book Prizeノミネート作
マッケンジー君が書いた童話、というだけでも興味津々でしたが、
本屋で手にした瞬間
”アレも読まなきゃ、コレも読まなきゃ”という家の”積ん読”状況が頭からすっ飛び、レジへ持っていき、
最優先で読んでしまいました。その理由は、
マッケンジー君ご本人による
挿絵がめちゃめちゃかわいい!!!
そうなんです。この本、絵も文もマッケンジー君によるものなんです。
この表紙の可愛さ、そして、2-3ページに一度は入っている挿絵が、ものすごくかわいい!!!(アジのある、まさにマッケンジー君らしい”かわいさ”です。)
この挿絵のためだけでも購入の価値ありです。
ぜひこのハードバック版をご購入してください。こっちが絶対によいです。
ひさびさ、宝物としてとっておきたい級な装丁の本に出会ってしまいました。
童話ではありますが。。。
一流の役者さんが書いておる作品だけあって、言葉のすべりが非常によく、読んでいて心地のよい本です。
しかし、”童話”でありながらも、ボキャブラリー的には、一部難しいところもあり、低年齢の子どもを持つ親の多い私の周囲では、図式として
下線文は
親がマッケンジー・クルック君のファン
→親がマッケンジー君の本と知り、購入
→のめり込むように読み、笑う
→子どもがその様子を見る。
→本が何やら妖精の物語らしいと気づき、興味を示す
→親に話を聞き、読み終わったら貸してくれと頼む
→子どもが読む
といった流れですね。
うちの娘のケースですと、上の要領で読み始めたところ、クラスで一、二を争う優等生が読んでいるマイナーさ加減だったのですが、学校の先生方から”あら、それ読んでいるの?”と話しかけられ、まわりが”おおおお”となり、本人は”え、ちょっとあたしって、エライ?”といい気分に、、、で、くじけず、諦めず、読んでます。
以下はあらすじと感想です。
あらすじ大嵐の翌朝、家の周辺を散策していた少年エイサはなぎ倒された木々や瓦礫の間から、とんでもない発見をします。それは、小さな体に羽のついた生き物。”妖精”にそっくりではありますが、妖精って実在するのかどうかわからず、エイサは”妖精”について調べ始めることに。お父さんお母さんにそれとなく尋ねてみたり、図書館に行ったりするうち、エイサは今から200年以上も前に、妖精がいると唱えたベンジャミン・トゥースという人物の文献を発見します。彼によると妖精はWindvale Moorにいるとか。エイサはその場所へ向かいますが、もちろん、予想だにせぬことが待ち構えているわけでして……
感想かわいいのは絵だけじゃない!
マッケンジー君は素で、かわ面白い人だったというのが、骨の随まで実感できます。
物語の最大ともいえる醍醐味は、マッケンジー君があまりにも巧みにエイサの思考回路で物事を綴って行くところにありまして。
たとえば、妖精がいるかいないかを確認するために、お母さんに聞いてみようというシーンがあるのですが、
その理由がエイサがぼーっとしているといつもお母さんに「You've been away with fairies」と言われるからなんですね。 大人の私らなら、”妖精がいない”ということが大前提なのでこの意味を”心ここにあらずで”とか、”空想に耽っちゃって”と受けとめてしまいます。が、少年はそうは考えない(笑)
”母親がこういうということは、じつは妖精の存在は一般常識なのかも。。。”と考えるんです。
そして、さりげなく母親に妖精ネタを持ち出して、妖精に関する世間の常識を聞き出そうとするんですね。
舞台はエイサの家や近隣の図書館やパブなど、ありきたりの場所ばかりですし、異次元世界に行くこともない。
しかし、こうした子どもならではの思考回路から産まれるユーモアやドラマ、ミステリーと冒険に溢れていて、ページをめくるてがとまりません。本当に素晴らしい作品でした。
絶対におすすめです!!
絵のセンスまでこんなに素敵とは!
なんかもうマッケンジー君自身が妖精のような気がしてきましたv
とりあえずポチっとしてきました~!