最近スクリーンで映画観てないな~と、近所の映画館上映作品情報をのぞいてみたらば、
ちょうど公開されてまして。
Jeff Who Lives at HomeVIDEO アメリカじゃ今年3月公開されてるんですよね、これ?
アメリカ版はすでにDVDも出ちゃってる。。。は、はやっ!
アメリカン・コメディ好きならもはや枕詞なんぞいらない、ジェイソン・シーゲルとエド・ヘルムスが競演しております。映画になると当たりはずれがあるお二人かと思いますが、やはり、気になるのです。
今回の決めテはやはり、このポスターですね。 アート嗜好があるというか。どんちゃん騒ぎのお笑いじゃない匂いがしました。
また Rotten Tomatoesで77%だったかな? を出してます。
(Rotten Tomatoesはある程度信用してます)
脇を固める女優がスーザン・サランドンっていうのも、めっちゃヒキ要素です。
以下、あらすじと 感想です。
ネタばれしちゃうと思いますので、楽しみになさっている方はお気をつけて。。。
あらすじは…… 無職で1人暮らしのジェフは、メル・ギブソン主演の映画「サイン」に影響を受けていてですね。。。
運命を待っていて、サインをちゃんと見逃さずにいることに全力をかける人なんです。別にドラッグなんざやってないんですが、地に足ついてる人なんですが、天然ちゃん。です。
いい年こいて、”運命が。。。” “サインが。。。”なんてことに夢中で、壊れた戸棚の修理もしない。お母さんは、イライラのレベルも超えちゃって、我が息子にもかかわらず、耐えられない! とブチ切れ。兄のパットは、飽きれてものもいえないレベルを超えちゃって、関わりたくない意志120%。おとーさんは亡くなっており、家族3人ばらんばらんです。
物語は、おかーさんのお誕生日に起こった出来事のお話。
いつものように、ジェフはテレビの前に座って、じーーーーっとサインを待っていたところ、電話が。これは! とあわてて電話をとるといきなり「ケヴィンはいるか? ケヴィンだせ、このやろう!」って知らない人から罵倒されます。普通の人なら「これは完全な間違い電話」なんですが、ジェフはこの電話を「サイン」だ。と思うんですね。ケヴィンだ、ケヴィンが自分の運命のカギを握っているのだ! と。
そこへまた電話が。今度はおかーさんで「あんた、例の戸棚直したの?! もう頼むから、誕生日の今日くらいおかーさんを安心させてよ。お金テーブルの上にあがってるでしょう?それ使って、修理道具買って来なさい!」
ジェフは「今、サインを追ってるんだよ、忙しいんだ!」と抵抗するも、おかーさんが聞く耳を持ってくれるわけもないので、バスに乗って、おつかいにいきます。
ところが、バスに乗っていたときに、たまたま乗ってきた若いお兄ちゃんがバスケかなんかのユニフォームを着ていて、そこにKEVINって書いてあったんですね。ジェフは「サインだっ!」と思って、行き先変更。そのお兄ちゃんを尾行しちゃいます。ジェフって(ジェイソン・シーゲルですから)ガタイがでかいんすよ。尾行したらバレますわな。まんまと彼とその仲間にだまされてカツアゲされちゃって、文無しで歩いて行くしかなくなります。
一方いくら息子に愛想もコソも尽き果てたと思っていても心配するのが母親でございます、おかーさん。長男パットに次男ジェフの様子を見て欲しいと電話するわけです。でもパットは、そんなこと知ったこっちゃねえよ、俺は今大事な打ち合わせ中。。。とおかーさんの電話を切ろうとしたとき、たまたまそこをジェフが通りかかります。「お前何してんだよ」「おまえこそ何してんだよ」「俺は打ち合わせだよ」「打ち合わせってフーターズでかよ」と兄弟喧嘩がおっぱじまるなかで、ジェフはあるものを見ちゃうんです。それは、パットの奥さんが別の男性と仲良さげに車に乗り込むところ。。。
痴話げんかはとりあえずちょっと後回し。パットはジェフを引きずりこんで奥さんの後を尾行しますが……
そして、お誕生日のおかーさんも、オフィスで何やら不穏な気配。誰も知らないはずのホットメールのメッセンジャーに、突然「secret admirer」からメッセージが! オフィスでからかわれの的になるなんて冗談じゃない!と思う一方、こんなメッセージが来てどきどきしない女性はいませんで。。。
感想 個人的には、とても好きです。
このお話、結局は「サイン」が何かを伝えていて、登場人物は「サイン」に振り回されてるんです。でも、ジェフが無理矢理「サインだ!」って思うことで話が展開するので、サインの登場の仕方が不自然に見えないんですね。うまいな、と思いました。ジェフという不思議キャラをジェイソン・シーガルが上手に演じてるからなんだろうな。。。と思います。よく考えると、こんな感じのだら~~~~っとした役って、例のFreaks and Geeks
くらい久しぶりかもしれません。
「サイン」とまったく関係のなさそうな騒動(おかーさんのこととかパットの夫婦仲のこととか)も、最後の最後で、上手になんとな~く、ファジーにまとまるんです。そこが、とてもじんわりさせてくれる。秀逸なスクリプトだと思いました。こんなオシャレな作品、書けたら人生超かっこええ。それくらい思います。
セリフもよかった。特に特記したいのが、パットとパットの奥さんがどうして不満に思っていて、冷めていて、亀裂が入ってるか、というのを、2人の会話を通してものすごく繊細で微妙な男女の考え方の違いを描くことで、表現するんですね。奥さんが「●●のレストランに行きたいって行ったら、あなたは無視だけど(一緒に車に乗り込んだ男性)●●は私の言うことを聞いてその店に連れて行ってくれる」と泣きながらいうと、パットは「●●のレストラン? あんなところに? 君がいきたかったら、連れて行くよ!連れて行きゃいいんだろう」
とキレて言う。奥さんは「違うわよ、連れていってくれるかどうかが問題なんじゃない。貴方が私の言うことを聞いてくれて、私の希望をかなえてあげようという気持ちになってくれてるかどうかよ」
。。。この違い、パットにはわからないわけです。
兄弟喧嘩も決してむだな罵倒語も差別用語もないんだけど、互いをinsultしている会話で、すごくよかった。ここんところ(おれたちステップブラザーズのせいかもしれないけど 汗)理由もなく罵倒語だけで相手をけなす兄弟喧嘩のセリフが多い印象にあったので、ちょっと食らいついちゃいました。
しいていえば。。。 スーザン・サランドンがなんと(オドロキ)ジェフ(シーガル)とジェフのお兄ちゃんパット(ヘルム)のお母さん役でした! ええ??!! なんだかあまり年の差がないような気がするので、ちょっとヘンな気分です。もちろん、みんなの演技があまりにもすばらしくて、ほどなくして抵抗はなくなったのですが。
この映画、ゆいいつ辛かったのは、撮影方法です。なぜか! 手持ちカメラで画面がず~~~~~っと手ブレルんですよ。この作品で、手持ちカメラで手ぶれる意味がよくわからないので、この点だけは、、、、。です。しかし、ホントに劇場公開までならずとも、DVDくらいで日本上陸してもええんじゃないの? という非常に良作なコメディでした。