みなさまこんにちは。
英国発のお笑いなら、オレのもの! とばかりに(需要もないのに →ココ、ポイント)我がモノ顔でツバつけまくるコメディ部です。(*そういえば男性部員入部(祝)につき、女子の枕詞が消えました)
みなさまが、興味津々の。。。例の。。。映画観ました。。。
『
ディクテーター 身元不明でニューヨーク 』
VIDEO 9月7日より、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国順次公開
ご存知「ボラット」のサーシャ・バロン・コーエンが、「ボラット」「Curb your Enthusiasm /ラリーのミッドライフ☆クライシス」の監督ラリー・チャールズと組んで、本腰入れて作りました映画。配給会社も財布全開でプロモーションにお金をかけている今年一番プロモにお金のかかったコメディ映画ではないかとも思います。
映画「ボラット」「ラリーの。。。」は大変大変高く評価すべきシロモノなため、今回の「ディクテイター」も大変高い期待をよせてしまいがちです。
以下、あらすじと感想です。日本公式サイトは
こちら ですが、えええっっっと。。。
日本の宣伝会社の方、ご、ご苦労様です(大汗)・・・
この公式サイトをご覧になってウキウキしているみなさまをスポイルしないために、しっかりすべてタタミマス。。。
あらすじ
中東のワディア共和国の独裁者アラジーン将軍は、国内レベルで「俺っていちば~ん」って思っているだけでなく、国際レベルで「俺っていちばーん」って信じており、先進国にとって目の上のたんこぶ。軍事目的の核ミサイルをガンガン作っているのに、国の科学技術発展のためとウソをついて、IAEAの視察をはねのけております。そんなある日、国連会議参加の要請を受け、「この際だからハッキリしておこうじゃないの。あたしゃ、独裁政治をガンとして譲りませんよ」と
敵陣 ”自由と民主主義の国アメリカ”へ乗り込みます。
ところが、宿泊先のホテルで「将軍を24時間お守りします」って約束していたボディガードが、じつは何者かの陰謀により送り込まれたアサシンで! アラジーンを誘拐し、イタブリ殺そうとするんですね。でも運悪く(?)、イタブリ殺すことにかけては独裁者アラジーンのほうがずっとレベルが高く、アサシンが何を出して脅そうとしてもアラジーン将軍にとっては「それ、古いよね」「それよりもっと凄いのが私にとっては当たり前」。萎えコメントばかり耳にし、いたぶる気力がすっかり失せたアサシンは、やけっぱちで将軍の自慢のヒゲをざくざくと刈り取ってしまいます。そして皮肉にもそれこそがアラジーンをギャフンと言わすことでした。。。
ヒゲなしの男は、アメリカ一般ピープルにとってもはや将軍と判別不能に。なんとか逃げ出し、将軍の記者会見現場へと向かうなか、「独裁政治反対!」のプラカードを持ったデモ集団の中をかいくぐっても気がつかれもしません。しかも、何かあったとき用に用意されている替え玉が、「独裁政治はもう終わりにします! ワディアは民主主義宣言します!」なんてスピーチしているもんだから、将軍は大慌て!
(→そうじつはこの大騒動は、将軍のお膝元お世話係だったタミール伯父さんの仕業。先進国と仲良くなってワディア共和国が抱える豊富な石油資源をビジネスとしてお金儲けをしたいと思っているのに、先進国に「あんたとは貿易しない」とつまはじきにされては、孤立して貧乏になるばかりですから。)
一方そんなことは何もようわからない将軍は、なんとか、替え玉とすり替わり、”独裁政治”に戻さなければと心身ともにもがきます。(→そしてプチ暴動勃発 汗)
それからほどなく、将軍は、以前核ミサイルのトンガリが足りず、気に入らなくて処刑したはずの科学者ナダルに激似の男性を見つけ後を追ううちにある中東系レストランに入り込んでしまいます。そこには、ナダルだけではなく処刑したはずの面々がずらり。”アラジーン撲滅”をモットーに掲げ、密かに計画を練っている反アラジーングループのアジトだったのです!
さすがにココでは面が。。。ワレます。今度こそ絶対絶命のピンチか?! と思いきや、なぜか救いの手が。それは科学者ナダルでした。
ナダルは科学者ですから、じつは民主主義とか独裁主義とかどーでもいいんですね(汗)核ミサイル開発をつづけ、次こそはトンガリの効いた核ミサイルを開発したい! そんな野望(?)に燃えていた。ナダルは将軍ととりひきし、再び将軍が替え玉とすり替われるように協力。その代わり、成功したら、自分をもとのポストに戻してほしいと取引を提案します。アラジーン将軍は、条件を飲むしかありません。
というわけで、替え玉とすり替わるため、2人は動き出します。。。
プロモは、相変わらずの「ボラット」「ブルーノ」と同じ展開ですが……。 日本の公式サイトで「テロ・コメディ」と表現されているので、また? と思ってしまいがちですが、今回は完全なるスクリプトのもとに作られたコメディです。「ボラット」や「ブルーノ」のようなゲリラ・コメディ(→アポなしで、一般の人々を巻き込んで映画を作ってしまうこと)ではありません。
すでに2回もやっている(そして2回目では完全に失敗している)ゲリラ・コメディをすてて、「いかにスクリプトが秀逸か」で勝負に出ているのですね。非常に解ります。
そのスクリプトですが、わかりやすい風刺を盛り込んでいたと思います。冒頭にこの映画は北朝鮮のキム・ジョンイル(金正日)に捧ぐ、と出ていたり、IAEAを無視して核ミサイルをガンガン作っていたり、その昔ブッシュが「Axis of Evil」(悪の枢軸)と呼んだ3カ国をモデルに将軍を描いています。そしてアメリカも「独裁政治反対!」と言っておきながら、しっかり悪者呼ばわりしている人々とおいしいビジネスをしているということも、タミール伯父さんの陰謀を通して描かれるわけです。そして最後はホニャララ。(→一応かくします 汗)とまとめておりますし。
キャラに頼らない笑いというのは。。。けほんけほん(涙)あ、すいません、ちょっと けほんけほん、持病の喘息が。。。けほんけほんけほんけほん。。。
というわけで!! この作品が「フィクション・コメディ」以上の傑作になるかどうかは、「アラディーン将軍」のキャラがどれだけ生きるかどうか、であります。テレビ番組のように継続して、視聴者に慣れ親しんでもらえないので非常に不利です。
この「アラディーン将軍」となって「ボラット」のようなプロモ展開をやっているのは、映画を観る前にこの「キャラ」を視聴者にある程度叩き込んでもらいたい、という狙いがあってのことではないか、と考えます。そうすると、たとえば将軍の男尊女卑な考えや、オレ様主義っぷりを見せているところが光った笑いへとなっていくのだろうな、と。
ただ、やっぱり、映画1本だけで、キャラに頼った笑いを成功させるのは、とても大変だと思います。これは、キャラクター・コメディが専売特許の天才スティーブ・クーガンを見習って欲しいです。映画で初のお目見えキャラをキャラクター・コメディで、有名なものに「Parole officer」と「Hamlet 2」がありますが、2作品とも「もう一回観てみようかな」という”気にさせてくれる”作り方をしているんですね。
はじめっから押し付けがましいキャラ設定になっていない(あ!言っちゃった!)
下ネタそのもので笑わせる笑いがない(あ!!!言っちゃった!!!汗)
といったことが例ですが。。。
個人的な感想。。。
けほんけほん。けほん、けほん。
そうですね。「ブルーノ」と「ディクテーター」を観て、改めて「ボラット」の成功のカギを握っていたのは
Peter Baynam/ピーター・ベイナムにあったのではないかと。。。(→「ボラット」のみ参加している)
ピーター・ベイナムは「Arthur Christmas」も書いたりしてますが、もともと Stewart Lee & Richard Herring (またかよ! って言わないでください!)といっしょにこんなスケッチ作って、
VIDEO イアヌーチせんせいとクーガンといっしょに「I'm Alan Partridge」作って、
っていう人です。
あ、もう みなさまの「わかったよ、もう!」という声が聞こえてきそうなのでこれ以上は褒めません。黙ります(汗)