はい、あの CBBC(チルドレンズBBC)で、小汚いイヌのぬいぐるみとしゃべってる あのかわいこちゃんです。
http://www.bbc.co.uk/cbbc/stars/iain-stirling
(BBCさん勝手におかりします)
卵が先か鶏が先かようわからんのですが、
現在24歳のイアン君は、19歳のときにBBCでオーディションに受かってこんなこと(=キッズ相手のTV番組)をはじめたそうです。でも先日もお伝えしたように、英国版吉本興業のAVALONがかなりちゃんと手塩にかけて、大事に育ててる(=様々なクラブにブッキングし、場数を踏ませている)というキャリアバックグラウンド。
そして今回が初のソロショー参戦でございます。
http://www.edfringe.com/whats-on/comedy/iain-stirling-happy-to-be-the-clownマネージメントがしっかりしているので、ハコはメジャーなUNDERBELLY、キャパも70人はいるかはいらないかくらいの小規模サイズ。小さいハコで毎日満員にすれば、TOTAL SELL OUT (3週間すべてチケットはソールドアウト)だった、とうたえるのです。
キャーキャーいうファンガールで埋め尽くされると覚悟していた客層は、意外にも、イナムラくらいのオカーさん層(爆。そうなんです、やっぱりCBBCに出てるってことで、
1 子どもの視聴を通してイアン君を知った。
2 ホントは子どもを連れて「ほら!あのCBBCのイアン君よ!」ってやりたかった。
3 子どもを連れていけないんだけど知りがっかりする一方、オカーさん、じつはイアン君が観たかった
4 いいや、子どもは誰かに預けて、自分だけ来ちまえ! とオカーさんだけ観に来ちゃう
。。。日本でいうところの、仮面ライダーの中の男の子ファン現象みたいなもんでしょうか?(汗 とにかく、そんなわけで、若い女の子がキャピキャピいなくて、ホント助かりました(汗
もう1グループ、メジャーな客層がいました。それは、いかにもスコットランドの学生だぜ!みたいな男の子たち。ゾロゾロとビール片手に入ってきたので、「冷やかしで来てる子たちだったら、どうしよう」と 母はかなり不安になってしまったんですが、イアン君が登場し、一言発するなり、不安解消&謎がとけました。
イアン君、ホントに正真正銘の地元民だったんです。
君のCBBCで喋っているそのアクセントは、何?(汗 っていうくらい、ベタベタのエディンバラ訛り。
ゾロゾロ入って来た男の子たちは、イアン君の地元のお友達かなんかなんでしょうね。友人のためにチケット買って、一番後ろの列で(プレッシャーにならないように)そっと見守ってあげてる状態だったんです。
というわけで、およそ新人のソロショーとは思えないほど、会場内の雰囲気がめちゃめちゃフレンドリーでリラックスしていました。
肝心の!ネタはどうだったのよ?と。お父さんが弁護士 お母さんがエディンバラ大学のリサーチャー、妹が法学科を卒業したばかり。。。のエリート家族なんですって。んでイアン君はもちろん、「キッズTVで小汚い犬のぬいぐるみ相手に会話しているClown」と。(一応大学の法学科を平均並みの点数で卒業してはいるらしいです。でも私立校に通った訳でもなくて、ずっと公立学校だったらしい。公立学校のハードボイルドな学生生活をくぐり抜けてるのがわかるアクセントでしたよ 笑)そんなClown(道化)な自分のこの1年を振り返って喋る、、、というもの。こちらの百円均一っみたいなお店で購入した
Cliff RIchardのカレンダーを使いながら、9月は~。10月は~。と、毎月ごとにネタ披露。(注:このアーティストをご存知の方、このカレンダー自体がすでにネタです。日本円で1680円もしますが、一見の価値ありですわ 爆)
で。
生まれ育った地元だから、コワイもクソもないんですね、この子。
場内の空気は完全にこの子のモノ。何の気負いもなく、評価もらわないとどうしようみたいなプレッシャーもない。「3つ星ってのは「not brilliant, but WORTH seeing」だから、充分満足。」っていうスタンス。別にレビューがどうあろうと、エディンバラは自分を支えてくれるっていう揺るぎない信頼があり、その信頼が、イアン君を非常に強い人間していました。
この”強さ”って、ネタのクオリティと同じかそれ以上に、大事なんですよね。
ソロで尺60分、何百、何千とあるショーのなかからわざわざ自分のショーを観に来てくれた観客を引っぱり続けるって相当な自信と強さが必要ですから。
プレッシャーも気負いもなく、無理せず自然に、この強さがそなわっているというのは、すごいと思います。この点、
去年騒いだかわいこちゃんを思い出して再確認。父親が有名スポーツプレゼンター&人気シットコムにレギュラー出演という状況にも関わらず、彼には気負いが見えました。これが小さいころからエディンバラ・フリンジがどういうものかを肌で知っているかどうかの差なのか。。。興味深いところです。
そんなスタンスのせいか、イアン君のネタも、「キッズ番組の良い子ちゃんイメージを打開しなきゃ!」とか「
吉本興業AVALONで可愛がられてるだけで注目浴びてるだけのイケメン・カス芸人、って思われないようにしなきゃ!」とかいった「背伸び」がまったくなく、非常に等身大の自分を、思いっきり楽しんでいるネタでした。芸人さんが楽しんでれば、客も楽しい時間を過ごせるんですよね。当たり前のことなんですが、なかなか、それをナチュラルにできる芸人さんは、新人では少ないです。(=だって場数踏んでないもの。)その背伸びしないところ、のびのび自由にやって、お客さんを笑わせるところ、大好きな自分の街で、自分を気に入ってる人たちに囲まれていると信じているまっすぐな精神、そのすべてが、非常によかったです。
文句なしで、笑えます。下ネタ満載ですが、笑えます! 若者らしくて素敵です! ぜひ機会があったら観てください!
そして、
CBBCどおり、かわいこちゃんです!! 本物のほうがもうちょっとmanlyだったかもしれない。よく考えたら24歳だものね。でも、かわいこちゃんです!おすすめです!